書籍『肩痛、拘縮肩に対するFasciaリリース』文光堂

総論である『Fasciaリリースの基本と臨床』から1年半経過したんですが、待望の各論がでました。

以前、筋膜リリースとよばれていたものが最近ではFasciaリリースとよばれるようになりました。

ちょっとまえは筋膜をターゲットにしていたのです。

最近はそれだけでなくFascia(いわゆる結合組織。腱、靭帯、脂肪、筋内腱、血管神経周囲)全体を治療対象にしようというながれです。

今回から各論で、肩関節がテーマです。

関節=joint space(関節腔)+fascia(結合組織)ととらえることからはじめようというわけです。

個人的に圧巻だったとおもったのはやはり、第2章P.55の診療フローチャートです。

治療も大事ですが、『どこを治療するか?』が問題になってくるのですが、よくここまでまとめられたなと感服する次第です。

動作分析も漢方医である高木恒太郎先生の美しい絵でわかりやすいです。

当然エコー下注射は木村裕明先生の動画がもりだくさんです。

いままで、わからなかった部分がはっきりしてきました。

なかなか難しい分野で、だれもがこの治療をやれば百発百中でなおるなんていえません。

逆にそのようにいう人はすこし疑ったほうがいいかもしれません。

それでも、患者さんと凍結肩の治療にのぞむうえで、有用な書籍が出たことはすばらしいことだとおもいます。

つぎの各論は『膝関節』とのことです。

いまからたのしみです。